ためしてガッテンの歯が白くなる方法とは?スウェーデン式歯磨きの特徴を解説

「ためしてガッテン」は、生活に役立つ様々な情報を提供していたNHKの人気番組。その中で紹介されたスウェーデン式歯磨き法は、視聴者の間で大きな反響を呼びました。

この方法には、歯を白くするという噂も広がりましたが、実際効果はあるのか?

この記事では、ためしてガッテンで紹介された歯が白くなる方法について詳しく解説します。

目次

ためしてガッテンで紹介された歯が白くなる方法

ためしてガッテンで歯が白くなると紹介されたと言われているのは、スウェーデン式歯磨き。その名の通り、スウェーデンで流行している歯磨き法でしたが、ためしてガッテンで紹介されたことにより日本での知名度も爆発的に上昇しました。

ただし、このスウェーデン式歯磨きには勘違いしやすいポイントもいくつか存在します。ここではスウェーデン式歯磨き法の特徴について詳しく解説します。

スウェーデン式歯磨き法とは

ためしてガッテンで紹介された「スウェーデン式歯磨き法」は、スウェーデンのイエテボリ大学の研究者によって考案された歯磨き方法です。正式名称をイエテボリテクニックとも言い、特別な道具を使わず高い虫歯予防効果が期待できることから歯科業界の注目を集めました。

大きな特徴は、歯磨き後、口の中をゆすがないことでフッ素を多く残留させること。フッ素が長時間、歯に滞在することでより高い虫歯予防効果を狙います。

検証では通常より40%以上高い虫歯予防効果が確認されました。

スウェーデンは歯科先進国

スウェーデンは世界的な歯科先進国としても有名。かつては日本同様、多くの国民が虫歯や歯周病に罹患していましたが歯科専門家主導の国家戦略を実施。国の政策に加え国民ひとり当たりの歯科への関心度も上昇し、現在では世界で最も国民の虫歯・歯周病発症率が低い国となっています。

国家戦略に協力しスウェーデンの歯科事情を大きく変化させた専門家たちもイエテボリ大学に在籍していたことから、ためしてガッテンで紹介されたスウェーデン式歯磨き法には高い信頼性が感じられます。

スウェーデン式歯磨き法のポイント

具体的なスウェーデン式歯磨き法のポイントについて解説していきます。

STEP
歯磨き粉を用意

スウェーデン式歯磨き法で重要なのが歯磨き粉の種類。フッ素配合であるかを確認しましょう。ハブラシに乗せる量は普段よりも気持ち多めを意識してください。詳しくは後述しますが、歯磨き粉の種類は発泡剤など不使用の安全性が高い物をオススメします。

また、ハブラシを水に濡らしてから歯磨き粉を乗せるとせっかくのフッ素が薄まります。乾いた状態のハブラシを使用しましょう。

STEP
歯磨きをする

歯全体にフッ素を行き渡らせる感覚で歯磨きをします。

STEP
泡を吐き出す

歯磨きで発生した泡や唾液を吐き出します。ただし、水で口腔内はゆすぎません。口をゆすがないことで歯にフッ素を多く残留させるのです。どうしても違和感を覚える方は、通常通り歯磨きして口をゆすいだ後に、スウェーデン式歯磨き法を実施しましょう。多少フッ素が薄まって違和感が軽減されます。

STEP
30分~2時間は飲食しない

歯磨き後に飲食をしてしまうと、せっかくのフッ素が流れ落ちてしまいます。最低でも30分、長くて2時間の間は飲食を控えましょう。

スウェーデン式歯磨き法では、どれだけ歯にフッ素を残留させられるかが重要となります。フッ素を洗い流さないように水で口をゆすいだりしないため、違和感を覚える方も少なくありません。歯磨きは毎日の習慣であることから、苦手・気持ち悪いと感じて長続きしない方もいます。

  • 慣れるまでハブラシを少しだけ水で濡らす
  • はじめのうちは30分後ゆすぐ
  • 通常通り、歯磨きしてゆすいでからスウェーデン式歯磨き法に取り組む

効果は薄まりますが、はじめの間は上記のような工夫を取り入れて少しずつ慣らしていくことをオススメします。

歯が白くなるかは微妙

ためしてガッテンで紹介されたスウェーデン式歯磨きには、歯のホワイトニング効果はそれほど期待できません。

スウェーデン式歯磨きで期待が寄せられている主な効果はフッ素による虫歯予防です。フッ素が長時間、歯に残留することで虫歯に対する予防効果を発揮しますが、歯を白くするホワイトニング効果は見込みにくいです。むしろ、審美ホワイトニング前に歯磨きなどでフッ素を塗布していると、施術効果が薄まれる恐れもあります。

歯磨き粉にポリリン酸ナトリウムなど歯の着色予防が期待されている成分が配合されていたとしても、歯の表面に付着した着色汚れが落ちる程度。歯磨きだけで劇的に歯が白くなる可能性は低いです。

ためしてガッテンでも歯が白くなる方法ではなく、あくまで虫歯予防効果が高い歯磨き方法として紹介されていました。恐らく、虫歯を激減させたというキャッチフレーズが誤解を招き、歯が白くなる方法として広まったと推測されます。

スウェーデン式歯磨きに期待できる効果

ためしてガッテンで紹介されていたスウェーデン式歯磨きには、口腔内に残留するフッ素によって様々な効果が期待できます。ここでは代表的な効果を紹介します。

虫歯予防

フッ素の代表的な効果と言えば、虫歯予防。虫歯は菌が生成する酸によって引き起こされますが、フッ素にはこの虫歯菌の働きを抑制する作用があるとされています。歯科医院でフッ素の塗布が推奨されているのは、虫歯菌に対して有効な予防作用を示すためです。

特にスウェーデン式歯磨き法では多量のフッ素が歯に付着するため、高い虫歯予防効果が期待できます。

再石灰化促進

虫歯菌の働きを抑制する他にも、フッ素には再石灰化を促進する効果があります。

人間の口腔内では、虫歯菌によって歯が溶ける脱灰と呼ばれる現象が日々発生しています。このとき歯のエナメル質から溶けだしたカルシウムやリン酸を再び歯に戻し、元通りに修復する作用を再石灰化といいます。簡単にいえば壊れかけた歯の修復工事です。

歯は常に脱灰と再石灰化を繰り返しています。脱灰が再石灰化を上回ることで虫歯が発生します。フッ素が再石灰化を後押し・サポートすることで脱灰による虫歯の発生を抑制します。

歯質強化

歯の表面を形成しているエナメル質のことを歯科専門用語で「ハイドロキシアパタイト」といいます。本来、このハイドロキシアパタイトは虫歯菌が生み出す酸に弱く、簡単に壊されてしまいます。簡単に壊れやすいと上記で触れた脱灰が進行しやすくなり、結果として虫歯が発生しやすくなります。

フッ素には、このハイドロキシアパタイトを強化する役割も担っており、合体することで「フルオロアパタイト」という結晶体に変化します。フルオロアパタイトには虫歯菌に対する抵抗力があり、虫歯の発生を抑制することに繋がります。

着色汚れの予防

上記でスウェーデン式歯磨き法には、ホワイトニング効果はあまり期待できないと述べましたが、着色汚れであればある程度防ぐ可能性はあります。

スウェーデン式歯磨き法で歯に多く残留するフッ素には、黄ばみ・着色予防も期待できるといった声もあります。歯の表面には目には見えない傷が多数存在します。そうした傷の隙間に黄ばみ・黒ずみ汚れが残留した場合、中々落とせません。

フッ素には、この傷を修復する再石灰化という効果があり、歯の表面を滑らかに整えます。汚れが溜まりやすい歯表面の隙間がなくなることで、結果的に着色汚れを防ぐことに繋がります。

また定期的にフッ素を歯にコーティングさせることで、汚れや着色から歯を守る保護膜が形成される可能性もあると言われています。

歯を白くするホワイトニングにはなりにくいですが、歯を綺麗な状態で保つことには繋がります。

スウェーデン式歯磨きの注意点

たしかにスウェーデン式歯磨きには、高い虫歯予防効果が期待されていますが、懸念点もあります。それは、日本とスウェーデンでは歯科に関する事情が異なる点。

スウェーデンと日本では、歯磨き粉に使用されている原料が異なります。スウェーデンと違い、日本の歯磨き粉には歯磨きの爽快感・満足感を高める目的で、ラウリル硫酸ナトリウムなどの発泡剤が配合されています。

通常の歯磨きで使用する分には安全面に問題ありませんが、スウェーデン式歯磨き法で口腔内に残留させるとなると、あまり好ましいとはいえません。発泡剤以外にも、研磨剤が多い商品もスウェーデン式歯磨きでは避けた方が無難でしょう。スウェーデン式歯磨き法で使用する歯磨き粉には、できるだけ発泡剤などが含まれていない商品を選びましょう。

また、フッ素は適量であれば問題ありませんが、過剰に摂取すると人体に負担をかける可能性があります。スウェーデン式歯磨きは大量のフッ素配合歯磨き粉を口内に残留させます。それを毎日続けることで、フッ素量が過剰となる可能性もゼロではありません。

成人ならまだしも、小学生以下のお子様にスウェーデン式歯磨き法を実践させたい場合は、一度歯科医師・歯科衛生士に相談されることを推奨します。

歯を白くしたいならホワイトニングがおすすめ

ためしてガッテンで紹介されたスウェーデン式歯磨きは、虫歯予防としては非常に有効な歯磨き方法です。しかし実践するには課題が多く、歯を白くする効果も乏しいです。効率的に歯を白くしたいのであれば、やはり専門的なホワイトニング施術がオススメといえます。

ホワイトニングといっても様々な種類が存在し、歯科医院での施術以外にセルフホワイトニングという選択肢もあります。セルフホワイトニングは、施術こそ自分で行いますがその分価格がリーズナブル。気軽に試せるメリットがあります。

この機会に、ご自身にマッチしたホワイトニングを検討してみてはいかがでしょうか。

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